「家を建てるならどこがいい?工務店?それともハウスメーカー?」
こんな疑問をお持ちではないですか?
実は「理想の家を建てられるかどうか?」その大半は、家づくりを依頼する施工会社選びにかかっています。(オーバーな表現に見えますが割とマジです。)
そのため、ハウスメーカーと工務店、または設計事務所、それぞれの違いや特徴を知った上で、イメージしている理想の住まいづくりを叶えてくれるピッタリの依頼先を見つけることがとても大切です。
また、「木造住宅」と「鉄骨住宅」のメリット・デメリットから、性能や品質、間取りの自由度という点から依頼先を選べるようになるのもポイントのひとつです。そこで今回の記事では、
- ハウスメーカー、工務店、設計事務所の違い・メリットとデメリット
- 施工会社、ハウスメーカー選びのポイント
- 木造住宅と鉄骨住宅の違い、主な工法とメリット・デメリット
- 家を建てる前に知っておきたい注意点
「家を建てるならどこがいい?」という方のお役に立てる、家づくりの依頼先選びのポイントを分かりやすくご紹介します。
目次
家づくりの依頼先 施工会社の違いや特徴とは?
家づくりの依頼先は「ハウスメーカー」「工務店」「設計事務所」と、大きく3つの会社に分かれます。
ハウスメーカー | 工務店 | 設計事務所 | |
---|---|---|---|
デザイン・設計力 | 〇 | △ | ◎ |
プランニング | 〇 | △ | ◎ |
施工技術 | 〇 | 〇 | ◎ |
アフターサービス | ◎ | ◎ | △ |
坪単価 | 30万~80万円以上 | 30万~100万円 | 70万円~ |
ハウスメーカー
ハウスメーカーとは、工業化によって大量生産された住宅ブランドを全国規模で展開する大きな会社のこと。
ハウスメーカーをはっきりと分類する定義はなく、テレビCMなどで有名な「大手ハウスメーカー」から地方の工務店から全国エリアに拡大した「中堅ハウスメーカー」、また「フランチャイズ」で全国展開する会社など、これらを一括りにハウスメーカーと呼ばれています。
ハウスメーカーの大きな特徴は、住宅建築を効率化させるための「規格化・工業化」「大量生産」「システム化」がされていること。自社の生産工場をもち、建築資材の一部を規格化させて大量生産するコストダウンの取り組み、設計・施工を統一して一定の品質を保つなど、生産効率を高める大規模な仕組みが取られています。
また、家の引き渡しが完了してからの「アフターフォローが充実している」のも大きな特徴で、24時間サポート窓口の設置や最長60年の長期保証制度など、その会社の特徴を活かしたサポート体制を提供しています。
ハウスメーカーに依頼するメリット
ハウスメーカーの大きなメリットは、工業化住宅ならではの安定した品質の家を短い工期で建てられること。工期を短く短縮できるということは、入居までの仮住まいの家賃コストを安く抑えられます。
- 安定した品質の家を建てられる
- 家のイメージ違いが起こらない
- 短い工期で家を建てられる
- アフターサービスが充実している
- 大手企業の安心感が得られる
また、規格化された豊富な商品プランを前もって選べるので、「イメージと違った」といった家づくりの失敗を避けることができます。住宅展示場のモデルハウスを実際に見学できるのもハウスメーカーならではの魅力と言えるでしょう。
ハウスメーカーに依頼するデメリット
ハウスメーカーの大きなデメリットは、設備のグレードを上げたりオプションの追加などで「予算オーバー」の失敗に陥りやすいこと。
- 予算オーバーの失敗に陥りやすい
- 設計の自由度が低いケースがある
- 要望が上手く伝わらないケースがある
また、規格化された建築素材を統一化した設計・施工で行うため、自由度の高い家づくりには不向きです。たとえば、条件の厳しい土地や狭小地など、ハウスメーカーによっては対応できないケースがあります。
工務店
工務店とは、ハウスメーカーと比べると狭い施工エリアで展開する建築会社のこと。工務店といえば、地域に密着した小規模な会社をイメージするかも知れませんが、本部のフランチャイズに加盟する会社や、地域密着でありながら広域に支店をもって活動する中堅ビルダーなど、さまざまな営業形態の工務店があります。
- 地域に密着した昔ながらの工務店
- 本部のフランチャイズに加盟する工務店
- 広域に拠点をおく中堅ビルダータイプの工務店
工務店に依頼するメリット
工務店を利用する最大のメリットは、その地域の環境や土地条件に精通した地元企業ならではの質の高い家づくりができること。
- 地域に密着した昔ながらの工務店
- 本部のフランチャイズに加盟する工務店
- 広域に拠点をおく中堅ビルダータイプの工務店
また、ハウスメーカーと比べて設計・施工の自由度が高く、安いコストで家を建てられることも魅力のひとつです。
工務店に依頼するデメリット
工務店の大きなデメリットは、職人さんの技術力が均一ではないため施工にバラつきがあること。また、全国展開するハウスメーカーと比べると、対応エリアが限定され十分なアフターサービスが受けられないケースがあります。
- 施工エリアが狭く市町村・県内に限定される
- 品質や施工の精度が一定でなくバラつきが見られる
- 倒産リスクがありアフターサービスの不安がある
- 工期が長くかかってしまうケースがある
工務店とハウスメーカーの大きな違いは、「品質や施工の精度」「アフターサービス」の2つ。工務店を利用する場合、地元企業というメリットを活かした家づくりができる一方で、職人さんの技術や腕次第となるため品質や施工にバラつきがあることを覚えておきましょう。
設計事務所(建築設計事務所)
設計事務所とは、建物の設計や工事の管理を職業とする「建築家(建築士)」が在籍する建築事務所のこと。「〇〇一級建築士事務所」といった名称を名乗るケースが多いです。
設計事務所は大きく「アトリエ系設計事務所」「組織設計事務所」「その他建築士事務所」3つの種類のタイプに分けられます。
アトリエ系設計事務所 | 少数精鋭でデザイン性の高い建築設計を手掛けるのが「アトリエ系設計事務所」です。住宅を中心に手掛けるところや病院、ホテルなど大規模施設を手掛けるところなど、事務所によってさまざまです。 |
---|---|
組織設計事務所 | 所属する設計士の数が多く、規模の大きい建築物を設計することが多い企業的な設計事務所が「組織設計事務所」です。規模の大きい建物の設計を手掛けることが多いため、個人の住宅などの依頼を受けることはほとんどありません。 |
その他の設計事務所 | ハウスメーカーや工務店に分類される設計事務所。また、構造や設備の設計を専門に扱う「構造設計事務所」や「設備設計事務所」など。 |
これまでにご紹介してきたハウスメーカー、工務店と比べて、設計事務所の大きな違いは「デザイン・設計に特化した業務を請け負い、現場の施工・工事では”監理業務”の立場にまわる」ということ。
設計事務所に家づくりを依頼した場合、ハウスメーカーや工務店とは施工のプロセスがそもそも違うということを知っておきましょう。
設計事務所に依頼するメリット
設計事務所に依頼する大きなメリットは、デザイン性の優れた世界に一つだけの家を建てられること。また、現場における施工・工事の進行を「設計監理者」という立場で厳しくチェックしてくれるので「欠陥住宅」や「手抜き工事」のリスクを大幅に下げることができます。
- デザイン性の高い家を建てられる
- 暮らしのアイデア・間取りの工夫が豊富
- 完全オーダーメイドな家づくりができる
- 欠陥住宅・手抜き工事のリスクを防げる
設計事務所に依頼するデメリット
設計事務所に依頼する大きなデメリットは、設計から完成までの期間が長いということ。また、細部にまでこだわった家づくりができる分、総額費用が確定するまでに時間がかかってしまいます。
- 設計から完成までの期間が長い
- 工事費用がすぐに確定しない
- 完成するまで実物を確認できない
- 住宅ローンを建物と土地で分けて組む必要がある
この他、大手のハウスメーカーと比べると「長期の保証制度」「無償メンテナンス」など、アフターサービスが劣る場合が多いです。
ここまで、家づくりの依頼先「ハウスメーカー」「工務店」「設計事務所」のメリット・デメリットをご紹介しましたが、それぞれの違いや特徴を知ってもらえたでしょうか?
『家を建てるならどこが一番いいの??』
という素朴な疑問、
まずはそれぞれの長所と短所を比較して、自分に合ったベストな依頼先を大枠から見つけられるようにしましょう。また、家づくりの条件やこだわりを「リスト化」して「優先順位」を付けると依頼先の選別はスムーズになります。
これらを含めて、次のトピックでは「施工会社・ハウスメーカー選びのポイント」を詳しくご紹介します。
施工会社・ハウスメーカー選びのポイント
家づくりの依頼先は「ハウスメーカー」「工務店」「設計事務所」と大きく3つに分かれます。それぞれにはメリットとデメリットもあり、各ジャンルにおいても数多くの施工会社が存在します。
- 「家を建てるならどこのハウスメーカーがいいの?」
- 「施工会社を選ぶにはどんな手順で進めるべき?」
こんな疑問を持つ方もいるのではないでしょうか?
そこでこのトピックでは、家づくりの依頼先選びのポイントを4つ厳選してご紹介します。(分かりやすくお伝えするために、ハウスメーカー選びに重点に解説しています。)
まずは家づくりのイメージ固めから始めよう!
「家を建てるならどこに依頼するべきか?」
これを決めるためには、まず「どんな家を建てたいのか?」家づくりのイメージを具体的にしていく必要があります。
家を建てるための準備・最初にすること
- 今の暮らしの不満をまとめる
- 家づくりの希望をリストアップする
- 間取り・デザイン・設計の優先順位を決める
- 住宅カタログ・商品プランの画像からイメージに近い家を調べる
- 家族全員でイメージを共有して住まいの全体像を固めていく
「家を建てるにはまず何から始める?最初にすること4つのポイント」では、こうした家づくりの準備や流れを詳しくご紹介しています。家づくりのイメージ固めがまだという方は、こちらの記事も参考にしてみて下さい。
2. 家づくりの条件やこだわりに優先順位をつけよう!
「予算や費用」「土地や立地」「性能や品質」「間取りや広さ」「設備や仕様」「デザイン性」「住み心地」「使い勝手」など、家づくりの条件やこだわりを大まかな項目に分けて、優先順位をつけていきます。
【参考例】家づくりの優先順位リスト
予算や費用のバランス |
|
---|---|
土地や立地の条件 |
|
家の性能や品質 |
|
間取りや広さ |
|
などです。あくまで例ですが、「絶対に譲れない:◎」「出来れば欲しい:○」「妥協できる:△」と、段階をつけておくと優先順位の整理がしやすいです。
ある程度まとまったリストを見返すと、
- 子育てを中心に考えた家づくり
- 地震や台風などの自然災害にも強い家
- 家族が自然と集まる明るく開放的な広々リビング
など、家づくりの大きなテーマと譲れない条件が見えてきます。
この「家づくりのテーマ」と「こだわり条件」に「費用のバランス」を加えて、家づくりの依頼先を探していきます。
3. ハウスメーカーの特徴・工法・価格帯を知ろう!
一言に「ハウスメーカー」といっても、得意とする工法があったり価格帯が違ったりと、その特徴もさまざまです。ハウスメーカーごとに違う「特徴・工法・価格帯」、ざっくりでも知るようにしましょう。
大手ハウスメーカーの坪単価・価格の目安
施工会社 | 坪単価の目安 | 30坪 | 40坪 |
---|---|---|---|
ダイワハウス | 70万~80万円 | 2,100万円~ | 2,800万円~ |
積水ハウス | 80万~85万円 | 2,400万円~ | 3,200万円~ |
住友林業 | 75万~80万円 | 2,250万円~ | 3,000万円~ |
へーベルハウス | 90万~100万円 | 2,700万円~ | 3,600万円~ |
セキスイハイム | 70万~80万円 | 2,100万円~ | 2,800万円~ |
ミサワホーム | 80万~85万円 | 2,400万円~ | 3,200万円~ |
一条工務店 | 60万~65万円 | 1,800万円~ | 2,600万円~ |
ハウスメーカーの特徴や工法について
施工会社 | 特徴 |
---|---|
ダイワハウス | 工業化住宅のパイオニア的な存在のハウスメーカー。鉄骨造と木造の両方の商品を販売し、代表商品の「XevoΣ」は、高い天井と耐震構造、外張り断熱が大きな特徴です。 |
積水ハウス | ZEHに対応した住宅やスマートタウンの開発など、環境配慮に先進的な取り組みを行う業界最大手のハウスメーカー。軽量鉄骨・木造(シャーウッド)・重量鉄骨に対応した商品を販売しています。 |
住友林業 | 木造の注文住宅では国内リーディングカンパニーの地位を確立する大手ハウスメーカー。特許工法「ビッグフレーム構法」で建てる家は、木造最高級ブランドと名高い評価を獲得しています。 |
へーベルハウス | 鉄骨系プレハブ工法、重量鉄骨造に特化したハウスメーカー。ALCと呼ばれる軽量気泡コンクリート「ヘーベル」を使用した高い耐久性、次世代省エネルギー基準をクリアする独自の断熱設計が大きな特徴。 |
セキスイハイム | 住宅の大半を工場で生産して現場で組み立てる「ユニット工法」をいち早く取り入れたことでも有名。太陽光発電・蓄電池・HEMSを搭載したエネルギー自給自足型の家「スマートハイム」に力を入れるハウスメーカー。 |
ミサワホーム | 住宅業界で唯一の「32年連続受賞・グッドデザイン賞」。住宅の構造体をパネルで一体化させる「木質パネル接着工法」、一般の住まいに比べて約3倍の収納面積を作り出す「大収納空間 “蔵のある家”」が大きな特徴。 |
一条工務店 | 木造住宅の耐震設計技術に関しては最先端を行く住宅メーカー。比較的リーズナブルな価格帯でありながら、耐震性や気密・断熱性の優れた家づくりができるのが大きな特徴。 |
大手ハウスメーカー・工務店の7社をピックアップしましたが、坪単価や価格の目安、得意とする工法で見てもさまざまな特徴があります。
先ほどのトピックでご紹介した「家づくりのこだわりと条件の優先順位」と「ハウスメーカーの特徴」を比較して、条件にあった依頼先の候補を選ぶようにしましょう。
4. 候補のハウスメーカーを複数社に絞り込んで比較しよう!
候補のハウスメーカーがある程度絞り込めたら、注文住宅のカタログ一括請求サービスを活用して、必要な資料を手元に揃えるようにしましょう。
「住宅展示場にまずは足を運んで…。」と考える方もいるかも知れませんが、目的のハウスメーカー(商品プラン)が決まってからでも十分間に合います。
1. 注文住宅のカタログ一括請求サービスを活用する
注文住宅のカタログ一括請求サービスとは、「地域」「人気テーマ」「費用」といった家づくりの希望を選択すると、条件に合ったハウスメーカー・工務店の住宅プランを検索してくれる便利なWebサービス。
気になる住宅プランが見つかれば、欲しい数だけ選択して注文住宅のカタログ・資料をまとめて一括請求することもできます。しかも無料で利用できます。
カタログ請求サービスの特徴や使い方など、下記のページで詳しくまとめていますので、コチラも一緒にご覧になって下さい。
2. ハウスメーカーの比較条件を整理する
ハウスメーカーごとのカタログ・資料が手元に届いたら、比較条件を整理して特徴をまとめるようにしましょう。
比較項目 | 概要 |
---|---|
対応エリア | 対応エリアや対応条件のまとめ |
工法・構造 | 木造、鉄骨造、独自の構造など |
性能・品質 | 耐震性、断熱性、気密性など |
デザインの特徴 | ○○風、屋根の種類、外壁の色合いなど |
保証・アフターサービス | 長期保証の有無、サポート体制など |
費用の目安 | 坪単価や延床面積に応じた費用の想定 |
3. 住宅展示場に足を運んでモデルハウスを見学する
候補のハウスメーカー、気になる商品プランが決まったら、住宅展示場に足を運んでモデルハウスを見学してみましょう。インターネットでは見えてこない実際の住み心地や使用感を疑似体験できます。
ただし、モデルハウスは基本「グレードの高い設備」が整っていたり、担当者から「強めの営業トークを受ける」など、独特の雰囲気に流されてしまいがちです。そのため、
- 家を建てるための必要な知識を身に付ける
- 住宅メーカーの候補がある程度決まっている
- 住宅展示場での目的がハッキリと決まっている
など、家づくりの準備が整ってから住宅展示場に足を運ぶようにしましょう。
家づくりの依頼先選びのポイントを4つに厳選してご紹介してきましたが、いかがでしたか?冒頭でもお伝えしたように「理想の家を建てられるかどうか?」その大半は、家づくりを依頼する施工会社選びにかかっています。
覚えることも多く、資料をまとめるのも骨が折れる作業ですが、じっくりと十分な時間をかけて必要な情報を集めるようにしましょう。
家を建てるなら木造・鉄骨造どっちがいい?違いやメリット・デメリットは?
ハウスメーカー特徴や工法を調べるなかで、
「家を建てるなら木造と鉄骨造どっちがいい?違いやメリット・デメリットは?」
こんな疑問を持った方もいるのではないでしょうか?
「木造」と「鉄骨」、この2つの大きな違いは建物の構造体(骨組み)で使用される素材の差です。それぞれにはどんな工法・構造の種類があって、メリット・デメリットはどんなことなのか?詳しくご紹介します。
木造住宅とは?3種類の構造と特徴
木造住宅とは、柱や壁といった建物の主要部分に「木材」が使用された住宅のこと。古くから日本の建造物に広く使われてきた工法で、吸水・吸湿性に優れていることから季節の移り変わりのある日本の気候に適した工法と言われています。
また、比較的間取りの自由度が高く、資材コストを安く抑えられるのも大きな特徴です。
木造住宅の主な構造は大きく「木造軸組」「木造枠組壁工法」「木造ラーメン工法」の3種類があります。
1. 木造軸組(在来工法)
木造軸組工法とは、柱と梁を組み合わせて枠組みをつくり、そこに屋根や壁を取り付ける建築方法。日本で最も多く用いられる工法から「在来工法」とも呼ばれています。
壁ではなく、柱と梁の「軸」で建物を支える工法のため、窓の大きさや壁を取り付ける選択肢が多いことから、間取りの自由度が高いという優れた特徴を持ちます。
2. 木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)
木造枠組壁工法とは、床や壁といった「面」で建物を支える工法で、断面が2×4インチ材を主な構造体としていることが大きな特徴です。2×4インチの木製パネルを組み合わせることから「2×4(ツーバイフォー)工法」とも言われています。
ツーバイフォーの大きな特徴は、耐震性が高く工期を短くできること。一方で、木造軸組工法と比べて、間取りの自由度が低くなるといった欠点もあります。
3. 木造ラーメン工法
木造ラーメン工法とは、柱と梁をボルトや鋼板などの金具をつかって「剛接合」させた工法のこと。簡単にいうと、マンションや商業施設などで用いられる「ラーメン構造」を木造住宅にアレンジさせたものです。
従来の木造住宅は「筋交い」や「構造壁」を設置して建物の強度を高めます。一方で木造ラーメン工法は、強度の高い柱や梁を「剛接合」で一体化させるため、柱の本数や間仕切り壁の制限を少なくできます。そのため、大空間や大開口といった自由度の高い設計を可能としています。
木造住宅のメリット・デメリット
木造住宅の大きなメリットは「建築費用を抑えられる」こと。一方で、鉄骨造と比べると「耐久性・耐震性が劣る」というデメリットがあげられます。
メリット
- 建築コストを抑えることができる
- 湿度を一定に保つので快適に過ごせる
- 耐火性・断熱性に優れている
- デザイン・設計の自由度が高い
デメリット
- 鉄骨造と比べて耐震性が劣る
- 鉄骨造と比べて耐用年数が短い
- 品質にバラつきが生じやすい
- 防音性が低い
次に、木造住宅と鉄骨住宅の違いを知るために「鉄骨住宅の特徴、メリット・デメリット」をご紹介します。
鉄骨住宅とは?軽量鉄骨と重量鉄骨の違い・特徴
鉄骨住宅とは、建物の主な構造部に「鉄骨」が使われた住宅のこと。鉄で造られた銅(Steel)を語源にして「S造」とも呼ばれています。
鉄骨には2つの種類があって、厚さ6mm以上の鋼材を「重量鉄骨」、厚さ6mm未満の鋼材を「軽量鉄骨」に分けられます。この他、重量鉄骨と軽量鉄骨の大きな違いは「強度の高さ」です。一般的に、住宅に広く用いられるのは「軽量鉄骨」で、マンションや大型施設では「重量鉄骨」が採用されてます。
鉄骨住宅の構造は大きく「軽量鉄骨ブレース構造」と「重量鉄骨ラーメン構造」の2種類に分かれます。それぞれの特徴や違いを見てみましょう。
1. 軽量鉄骨ブレース構造
軽量鉄骨ブレース構造とは、軽量鉄骨でつくった骨組みを対角線でつなぐ「ブレース」で補強し、ボルトで連結していく工法のこと。ブレースとは、構造を補強する「筋交い」のことです。
一般的な鉄骨住宅は、この軽量鉄骨ブレース構造が採用されることが大半で、「木造軸組工法」と同じく、壁で建物を支えない構造のため間取りの自由度が高く開口部をつくりやすいのが大きな特徴です。
2. 重量鉄骨ラーメン構造
重量鉄骨ラーメン構造とは、柱や梁を重量鉄骨で構成して連結部を「剛接合」で強固に固定させた工法のこと。強度が高く、強固な構造をしているため大型マンションや大型施設にて採用されています。
「木造ラーメン工法」と同じく、強度の高い柱と梁で建物を一体化させるため、枠組みの内側は自由なレイアウトにできます。そのため、大空間や大開口といった自由度の高い設計を可能とします。
鉄骨住宅のメリット・デメリット
鉄骨住宅の大きなメリットは「広く開放的な間取りにできる」こと。一方で、木造住宅と比べると「建築コストが高く断熱性が低い」というデメリットがあげられます。
メリット
- 広く大きな空間レイアウトが作れる
- 耐震性の高い家を建てられる
- 一定の品質を保つことができる
デメリット
- 木造住宅と比べて建築コストが高い
- 木造住宅と比べて断熱性が低い
- 地盤が弱い場合に強化工事が必要
「家を建てるなら木造と鉄骨どっちがいい?」という疑問に対して、それぞれの主な構造やメリットとデメリットをご紹介しました。いかがでしたか?
木造住宅と鉄骨住宅の大きな違いは「建築コスト」と「耐震・耐久性」「間取りの自由度」の3つです。工務店やハウスメーカーによって得意とする工法が違うため、家づくりの依頼先選びのポイントに建築工法の違いも加えて考えるようにしましょう。
家を建てるなら「知っておきたい!」4つの注意点
多くの方にとって家を建てるのは初めての経験になるはず。
はじめての家づくりだからこそ、しっかりとした情報収集と無理のない計画を立てて「失敗・後悔しない住まいづくり」を目指したいですよね。
とはいえ、「住んでみたらイメージと違った」「想定以上の費用がかかった」など、慎重に進めていたはずなのに失敗したと感じる人は意外と多くいます。
こんなコトにならないために「家を建てるなら知っておきたい!4つの注意点」をご紹介します。
1. 土地選びと費用のバランス
家を建てるならまず、土地を購入しなくてはなりません。
一言に「土地」といっても、広さや立地という分かりやすい条件だけでなく、「建ぺい率」や「容積率」、「建物の高さ制限」や「用途地域」といった、さまざまな制限がついてきます。つまり、
土地の制限によってイメージする家が建てられないというケースがあるのです。
まず、住みたい地域や土地にどんな条件があるのか予め調べておくようにしましょう。法的な土地の条件を予め知っておくことで、制限に収まる建物のプランニングができ、想定外のトラブルを避けることができます。
また、土地代と建物代の費用のバランスを知っておくことも重要です。
この土地代と建物代の費用の割合、ちょうどいいバランスが「3:7」、もしくは「4:6」と言われています。土地を購入した後になって、
- 地盤調査や改良工事の費用が多く掛かってしまった
- 準防火・防火地域で余計なオプション費用が掛かってしまった
など、スタート時点から費用のバランスがいびつな形になってしまう可能性が十分考えられます。土地選びと家づくりをセットで考えるようにして、それぞれの依頼先に相談するようにしましょう。
2. 予算決めと返済計画
家づくりにおける大きな失敗・後悔のケースが「お金のトラブル」です。
「費用の不足や予算オーバー」や「支払いの家計への圧迫」などが代表的な失敗の事例です。当初、無理のない資金計画を立てられたと思っていても、
- オプションの追加や設備のアップグレードによる「予算オーバー」
- 無理のある返済計画を立てたことによる「家計への大きな負担」
- 出産や子育て、仕事環境の変化による「世帯年収のダウン」
など、予算決めや返済計画に関するトラブルは珍しくありません。
こうしたトラブルに陥らないために、家づくりの費用や予算、住宅ローンの支払いを決める際は、「費用のシミュレーション」だけでなく「人生設計シミュレーション」も一緒に計画立てるようにしましょう。
3. 工務店・ハウスメーカー選び
「施工会社・ハウスメーカー選びのポイント」でもご紹介してきましたが、家づくりの依頼先選びは非常に重要です。
- 家づくりのイメージを固める
- 条件やこだわりに優先順位をつける
- ハウスメーカーの特徴・工法・価格帯を知る
- 候補のハウスメーカーを比較する
まずはこの4つの流れで依頼先の候補を絞り込むようにしましょう。また、ハウスメーカーが無料で発行する住宅カタログを取寄せて、
比較項目 | 概要 |
---|---|
対応エリア | 対応エリアや対応条件のまとめ |
工法・構造 | 木造、鉄骨造、独自の構造など |
性能・品質 | 耐震性、断熱性、気密性など |
デザインの特徴 | ○○風、屋根の種類、外壁の色合いなど |
保証・アフターサービス | 長期保証の有無、サポート体制など |
費用の目安 | 坪単価や延床面積に応じた費用の想定 |
比較条件を整理して、それぞれの特徴をまとめるようにしましょう。
4. 間取り・デザイン・設備
理想の間取りに仕上げたはずなのに、いざ新居での生活をはじめてみると「なんだか使いづらい」「思っていたのと違った」など、何かしら失敗したと感じる人は少なくありません。
また、間取りの失敗と同じくらいデザインや設備について何かしら不満を感じている方も多いです。こうした失敗をしないためには、
- 家づくりブログ・SNSを参考に失敗・後悔の事例を知ること。
- 理想のイメージに近いデザイン・間取りの画像素材を多く集めること。
- 間取りアプリ・間取りシミュレーションサイトを活用すること。
- 流行りのデザイン・素材の色使い・アクセントを参考にすること。
- メーカーごとの最新設備の特徴に詳しくなること。
などです。
何よりも「家族全員が納得できる間取りに近づけること」を意識してみましょう。
もし、土地の条件と家づくりのイメージが固まっている方であれば、プロの間取りプランナーに依頼をしていくつかのパターンを取り寄せてみるのも有効な手段です。
まとめ
「家づくりの依頼先選び」をテーマに、ハウスメーカー・工務店・設計事務所の違いやメリット・デメリット、ハウスメーカー選びのポイントと木造・鉄骨造の違いと特徴、知っておきたい注意点などをご紹介してきました。いかがでしたか?
「家を建てるならどこがいい?」といった疑問、少しは解消できたのではないでしょうか?今回、このページでご紹介してきた内容をまとめると、
- ハウスメーカー・工務店・設計事務所の違いとは?
-
- ハウスメーカーとは、工業化によって大量生産する住宅ブランドを全国規模で販売する建築・施工会社のこと。
- 工務店とは、ハウスメーカーと比べて狭い地域で展開する建築会社、また広域に拠点を置く中堅ビルダーのこと。
- 設計事務所とは、建築家(建築士)が在籍し、建物のデザインや設計、工事の監理業務を請け負う事務所のこと。
- ハウスメーカー・施工会社選びのポイント
-
- 家づくりのイメージを固める
- 条件やこだわりに優先順位をつける
- ハウスメーカーの特徴・工法・価格帯を知る
- 候補のハウスメーカーを比較する
- 木造住宅の特徴・メリットとデメリット
-
木造住宅とは、柱や壁といった建物の主要部分に「木材」が使用された住宅のこと。木造住宅の主な構造は大きく「木造軸組」「木造枠組壁工法」「木造ラーメン工法」の3種類があります。
- ▼メリット
-
- 家づくりのイメージを固める
- 湿度を一定に保つので快適に過ごせる
- 耐火性・断熱性に優れている
- デザイン・設計の自由度が高い
- ▼デメリット
-
- 鉄骨造と比べて耐震性が劣る
- 鉄骨造と比べて耐用年数が短い
- 品質にバラつきが生じやすい
- 防音性が低い
- 鉄骨住宅の特徴・メリットとデメリット
-
鉄骨住宅(S造)とは、建物の主な構造部に「鉄骨」が使われた住宅のこと。鉄骨住宅の構造は大きく「軽量鉄骨ブレース構造」と「重量鉄骨ラーメン構造」の3種類に分かれます。
- ▼メリット
-
- 広く大きな空間レイアウトが作れる
- 耐震性の高い家を建てられる
- 一定の品質を保つことができる
- ▼デメリット
-
- 木造住宅と比べて建築コストが高い
- 木造住宅と比べて断熱性が低い
- 地盤が弱い場合に強化工事が必要
- 家を建てるなら「知っておきたい!」4つの注意点
-
- 土地選びと費用のバランス
- 予算決めと返済計画
- 工務店・ハウスメーカー選び
- 間取り・デザイン・設備
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まず始めにやるべきことは「住宅カタログ」を手元に揃え「住まい・暮らしのイメージ」を固めるコトから。
注文住宅カタログには、理想の家づくりに役立つ"住まいの工夫"や"暮らしのアイデア"が一冊の資料にまとめられています。
手間を掛けずに効率よく家づくりに必要な情報を集めるために、住宅カタログの一括請求・資料の活用方法をご紹介します。理想の家を建てたいと願う方なら必見の情報です!!