【注文住宅を建てる土地の探し方】失敗しないコツと手順

【注文住宅を建てる土地の探し方】失敗しないコツと手順

「新しく土地を購入して注文住宅を建てたい!」
とお考えの方にとって”失敗しない土地の探し方”は大きなテーマではないでしょうか。

土地は建物と違って取り返しが付きにくい上に、他人が購入した土地を購入することはできません。つまり、なるべく早く・失敗しないように土地を購入する必要があります。

失敗しない土地探し」のためには、失敗しない手順を踏みましょう。
やみくもに土地探しを始めるのではなく、大まかな希望エリアや予算配分を決め、家の大きさに影響する法規的規制を知り、希望の土地が見つかったら現地に足を運んで確認することが大切です。

ここでは、土地の購入後に「失敗した…」「知らなかった…」と後悔をしないため、土地を探す時の手順や失敗しないためのコツ、そしてハウスメーカーと不動産会社の土地探しのメリット・デメリットをご紹介します。


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後悔・失敗しないために!抑えておくべき”土地探しの手順”

土地探しで失敗する大きな理由は、知識不足や確認不足がほとんど。

  • そもそも、土地探しを依頼する会社が決まらない
  • 土地に予算を使いすぎて、家自体が小さくなってしまった
  • 土地を購入したものの、計画通りの構造では建てられない土地だった
  • 住み始めた後で、隣にパチンコ屋が建てられた
  • 夜も賑やかな街で騒音や臭いが気になる

こうした土地に関する失敗・後悔は「正しい土地探しの手順」を踏むことで避けることばかりです。では、どのような手順を踏めば、失敗しない土地探しを成功できるのか?その全体像を7つのポイントにまとめました。

1.「大まかなエリア」を決める

土地を探そうと思った時、まず始めにすべきことは「大まかなエリアを決める」ことです。
通勤や通学が楽なエリアを選ぶのか、今と同じ住み慣れたエリアが良いのか、もしくは初めてのエリアに住みたいのか、土地探しを依頼する不動産会社やハウスメーカーを絞るための第一歩として、希望するエリアを決めましょう。

2.建物と土地の「予算配分」を決める

土地を探す段階になると、多くの方が既に予算を決めていると思います。しかし、土地探しにおいて本当に大切なのは「建物と土地の予算配分」です。

あらかじめ、全体の予算から土地に使える金額を決めていなければ、

希望の土地は購入できたものの、家が思ったより小さくなってしまった」、「奮発して立地の良い土地を購入したけど、設備のグレードが低くなってしまった」ということになります。

土地の購入費が全体の予算を圧迫してしまわないよう、建物と土地の予算配分を決めておきましょう。

3.土地に求める条件に「順位」を付ける

土地探しは、地形や地盤、周辺環境や価格など、優先すべき条件がたくさんあります。
しかし、一切妥協しなくて良い完璧な条件を揃えた土地は、広告に出る前に建売業者が購入するか、業者が買わないほど高額である場合がほとんどです。

そこで、現実的に土地を探すためにも「土地に求める条件をランキング化」しましょう。まずは、

  1. 周辺環境(スーパー・病院・銀行など)
  2. 土地購入にかかるの予算
  3. 通勤・通学にかかる時間

といったように、自分たちの望む条件に優先順位をつけます。
その上で、「この条件の上位3つをクリアしていたらOK」というように、自分たちでルールを設けることで、現実的に後悔しない範囲で土地を探すことができます。

4.土地の「法規的制限」を知る

土地には「建ぺい率」や「容積率」といった法規的制限が課せられており、土地の大きさに対して建てられる家の大きさが決められています。

建ぺい率 その土地における「建築面積」の上限。この建築面積とは、簡単に言うと建物の1階の面積を指します。つまり、「50坪・建ぺい率50%」の土地に家を建てる場合、50坪 × 50% =25坪なので、建築面積が25坪以内でなければなりません。
容積率 その土地における「延床面積」の上限。この延床面積とは、1階・2階・3階…とすべての床を合計した面積を指します。つまり、「50坪・容積率150%」の土地に家を建てる場合、50坪 × 150% =75坪なので、延床面積が75坪以内でなければなりません。

このような法規的制限は、土地情報に必ず記載されています。自分の計画している家が建てられるかどうか、必ずチェックしておきましょう。

5.実際に「ハウスメーカー」or「不動産会社」で土地探し

土地を探す方法は、「インターネットで探す」「自分で歩いて探す」「ハウスメーカーに依頼する」「不動産会社に依頼する」の4つが主流です。
しかし、情報量や効率から考えると、不動産会社かハウスメーカーに依頼するのが一番手間なく確かな方法だと言えるでしょう。

インターネットで土地を探す 一番手軽に探せる方法がインターネットを利用することです。
「エリア名 土地」といったキーワードで検索するだけで、現在売りに出ている土地の情報を確認することができます。自宅や通勤中、昼休みなどいつでもどこでも土地を探せることがメリットです。
しかし、ネットに掲載されている土地情報には限りがある上、不特定多数の人が情報を確認していることから、他の方法に比べて希望の土地が見つかりにくいといったデメリットも持ち合わせています。
自分の足で探す 原始的な方法になりますが、自分でエリアを歩いて売り土地を探すのも一つの手です。
インターネットには掲載されていない売り土地が見つかる可能性があるものの、結構な時間が必要で、結局は不動産会社に連絡する必要があるので最初から依頼したほうが早い、といったデメリットもあります。
しかし、自分でエリアを歩くことは、そのエリアで力を持っている不動産会社を探すことにも繋がります。売り土地の看板には、基本的に不動産会社の名前が書かれていると思いますが、会社名の書かれた看板が多いほど、その地域で多くの土地情報を持っていると言えます。
ハウスメーカーに依頼する 本格的に土地を探している方の多くは、家の建築を依頼するハウスメーカーも同時進行で探しているのではないでしょうか。その時、ハウスメーカーに土地探しも依頼すると、土地と住宅購入のローンが一本化でき、スムーズに家づくりを進めることができます。
また、ハウスメーカーは家を建てることで利益が得られます。
そのため、家の建築に影響を及ぼすような土地や、予算を圧迫しすぎる価格の土地を紹介される心配がなく、家の建築までを見据えた土地探しが期待できるため、自分で探すよりも効率的に希望の土地を見つけることができるでしょう。

地域の不動産会社に依頼する 土地を探す一番の方法は、やはり
地域の不動産会社に直接依頼すること
でしょう。
希望する条件に合った土地を複数紹介してくれるため、手間なく土地を比較することができます。また、土地を売ることを専門に扱う会社だけあって、その地域の土地情報は他とは比べ物にならないほど豊富と言えます。
しかし、注意点として、不動産会社は土地を売ることが目的なので、その土地に建物を建てた場合の日当たりや騒音、どれくらいの大きさの家が建てられるかといったことに関しては、ほとんどノータッチであるケースが多くなってしまいます。

6.「用途地域」で土地の周辺環境を確認

用途地域とは、建築できる建物の種類、用途の制限を定めたルールのことです。
住宅街の中に工場があったり、低い建物群の中に高層ビルがあると、不便で見た目の悪い地域になってしまいます。そのような状態を防いで、便利で景観の良い地域を作ることを目的に、このエリアは住居のみ、このエリアは工場のみ、といった地域の用途を決がめられています。

用途地域は、大きく「住居系」「商業系」「工業系」の3つに分類されており、検討中の土地がどのカテゴリになるのかを確認することで、静かで住みやすいのか、賑やかで便利なのか、といった地域の性質を知ることができます。

7.「現地」で細かなポイントをチェック

いくら書類やインターネットで土地情報を確認しても、日当たりや騒音、周辺の雰囲気などは、自分の目で確認しなければ分かりません。

立地や大きさは希望通りだったけど、実際に見てみると日当たりが悪かった、玄関の目の前に電柱が立っていたということもあります。書類を見て納得できた土地は、実際に足を運んでそこに住む自分たちを想像しながら確認してみましょう。

注文住宅の土地探しは、なんの準備もなくスグに始められるものではありません。
ご紹介した7つの手順のように、「大まかなエリア決め」「予算の配分」「土地の条件に順位付け」といった事前準備にはじまり、「土地の法規的制限」などの予備知識を備えた上、「土地探しの依頼先」を決めて「土地の周辺環境」を実際に足を運んで確認していきます。

とくに、次にご紹介する「土地探しの依頼先」について、そのメリットとデメリットを予めしっかりと把握しておくようにしましょう。多くの場合、「ハウスメーカー」か「不動産会社」に依頼しますが、土地の購入後に返済していく住宅ローンの扱いや、扱っている土地の情報量など大きく違ってきます。

土地を探す方法は「ハウスメーカー」か「不動産会社」

注文住宅用の土地を探す方法の中でも、効率的に希望の条件に合う土地を探すには、「ハウスメーカー」または「不動産会社」に依頼することがベストな選択です。

この2つの土地探しの方法、同じ探し方のように見えて実は、それぞれの特徴やメリット・デメリットに大きな違いがあります。たとえば、住宅ローンを一本化させて購入予定の住宅に合った土地を見つけられたり、どこよりも早く土地の情報を入手できるなどです。

では具体的に、「ハウスメーカー」と「不動産会社」、2種類の土地探しの方法について、それぞれのメリットとデメリット、多くの方が疑問に思う「複数の住宅メーカーに土地探しだけ依頼するのはアリ??」など、土地探しを始めるための基礎情報をご紹介します。

ハウスメーカーに土地探しを依頼する

まずは、「ハウスメーカーに土地探しを依頼した場合」から見ていきましょう。
大きなメリットは、家づくりに必要となる「住宅」「土地」「ローン」、この3つをワンパッケージでまとめて相談できること。条件にあった土地が見つかれば、土地活用のルールに沿った住宅プランを提案してもらえるので、法規的制限(建ぺい率・容積率)の心配が無くなります。また、住宅ローンを一本化できるのも大きなメリットです。

一方、デメリットは「不動産会社と比べて土地の情報が劣る」という点。とくに、地方に目を向けると、地元の不動産会社は広く流出していない地域に密着した土地情報を数多く抱えています。そのため、ハウスメーカーでは見つけられなかった土地の情報が、不動産会社にはあった。というケースが考えられます。

メリット

建築条件に合った土地を紹介してくれる

ハウスメーカーに土地を探してもらう一番のメリットは、家を建てることを前提に土地を探してくれること。
建ぺい率や容積率といった制限はもちろんのこと、計画している家が建てられる土地か、追加で費用がかかるかどうか、といったことも加味して土地を探します。

そのため、家を建てるのに適していない土地を購入してしまう心配がなく、土地と建物の予算配分を考慮して土地探しを行ってくれるため、土地購入後の思わぬリスクを大幅に削減することができます。

建物の予算も考慮して土地を探してくれる

土地探しの失敗でよくあるのが、「土地に予算を使いすぎて計画通りの家が建てられない」ことです。
希望通りの土地が見つからないほど土地の購入を急いでしまい、「予算配分はしていたものの、これまでない好条件の土地を見つけて思わず買ってしまった」というケースもよく耳にします。しかし、家の建築を最優先に考えるハウスメーカーに土地探しを依頼すれば、住宅購入に多くのお金をかけてもらうためにも、なるべく安い価格で希望条件に合う土地を探してくれます

家を建ててもらって初めて利益が出るハウスメーカーだからこそ、土地と建物の予算バランスを考えた上で、土地を紹介してもらえるわけです。

住宅ローンを1本化できる

土地を購入する際、多くの方は住宅ローンを組むことになるでしょう。ハウスメーカーに土地探しを依頼し、その住宅メーカーで家を建てた場合、同じ窓口で土地と家の購入ができるため、住宅ローンを1本化して手間を省くことができます。

不動産会社に土地探しを依頼 「土地のローン」と「家のローン」の2つ組む必要がある
ハウスメーカーに土地探しを依頼 「土地&家のローン」で住宅ローンを1本化できる

また、不動産会社と土地に関するやり取りをしつつ、ハウスメーカーとも家のプランニングを行う必要があり、場合によっては予定通りに進まない可能性も考えられます。このやり取りする窓口を1つにすることで、スムーズに家づくりを進めることができます。

デメリット

土地探しのプロではない

ハウスメーカーは、家づくりのプロであって、土地探しのプロではありません。
不動産会社に比べると、ハウスメーカーが持っている土地情報は少なく、結局は提携している地元の不動産会社に依頼することになりがちです。

たとえば、不動産事業も展開する「積水ハウス」や「大和ハウス」のような全国規模の大手ハウスメーカーだとしても、その土地によっては、地域密着型の不動産会社の方が新しい土地情報を豊富に抱えているケースが多くあるのです。

ハウスメーカーに土地探しを依頼することは、家づくりを考えると大きなメリットではありますが、土地探しだけで見ると不動産会社には劣ってしまいます。

依頼した住宅メーカーで家を建てることになる

土地探しだけをハウスメーカーに依頼して、住宅購入を別メーカーに依頼するのはマナー違反とされています。そのため、ハウスメーカーにお願いする場合は「土地探し」と「住宅購入」は始めからワンセットと考えておくようにしましょう。

詳しくは次のトピックでご紹介しますが、土地探しだけを依頼する方法もナシではないですが、ハウスメーカーに土地探しを依頼する大きなメリットを損なうことになります。

あくまでマナー違反であって規約・法律違反ではありませんが、やはり好ましい方法とは言えません。失礼なことになってしまわないためにも、「このハウスメーカーなら家を建てたい」と思えるメーカーにだけ、土地探しを依頼しましょう。

複数のハウスメーカーに土地探しだけを依頼するのはアリ?

土地探しをハウスメーカーに依頼する際、効率よく条件に合った土地を見つけるために「複数の住宅メーカーに土地探しだけを依頼することはできるのか?」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか?

先に結論からお伝えすると、
複数のハウスメーカーに土地探しを依頼するのは問題ありません。ただし、契約の意思もなく土地だけを紹介してもらうのは「マナー違反」です。

ハウスメーカーは、「住宅」と「土地」をセットで購入してもらうため、依頼者が希望する住宅に合った土地探しをしてくれます。そのため、条件にあった土地が見つかれば、依頼したハウスメーカーで家づくりをお願いするのが一般的なマナーとされています。

「土地は気に入ったけど、このメーカーで家を建てるのはちょっと…」
といったことが無いように、土地探しを依頼するハウスメーカーの住宅プランや費用相場などについても予習しておくといいでしょう。

不動産会社に土地探しを依頼する

続いて、「不動産会社に土地探しを依頼した場合」を見ていきましょう。
もっとも大きなメリットは、「条件に合った土地が見つかりやすい」ということ。日頃から土地の売買を数多く扱うことから、不動産会社には豊富な土地情報がいち早く集められます。とくに地方の地域密着型の不動産会社では、このメリットが顕著に見られるでしょう。

一方、デメリットは、「土地探し」と別々に「住宅の購入」と「住宅ローン」を進めていく必要があるので、家づくりのスケジュール自体が複雑化すること。とくに、住宅ローンの契約や返済計画などのやり取りを、不動産会社と住宅メーカーの2社で別々にやり取りする必要があります。

メリット

土地情報がどこよりも早く豊富

土地の売買を本業とする不動産会社は、売主から土地売却の依頼を直接受けるため、やはりどこよりも早く土地の情報が入ってきます。また、市場に公開される前であったり、Webサイトや広告に記載されていない未公開の土地情報も豊富に持っています。

未公開の土地情報とは?

  • 売主が個人の場合:近所の人にあまり知られたくない
  • 売主が会社の場合:売れ残った土地と思われたくない
  • といった理由から大々的に一般公開せず、土地を買う意志のあるお客さんにのみ公開する土地情報のこと。

不動産会社はどこよりも早く情報を入手し、どこよりも豊富な情報量を持っていることからも、土地の立地条件にこだわりたい方や、多くの土地を比較したい場合は、不動産会社に依頼するのが間違いないと言えるでしょう。

土地の購入後にハウスメーカーを選べる

理想の家づくりはじっくり考えて決めても問題ありませんが、理想の土地探しは早いもの勝ち。他の人が先に購入してしまうと、もう自分のモノにはなりません。

土地探しの失敗ケースとして「なかなか条件に合った土地が見つからず、先を越されることが多い」という方は、依頼する住宅メーカーを決める前に、先に不動産会社を介して土地探しを優先してしまうのもオススメの方法です。

ハウスメーカーに土地探しをお願いすると、その住宅メーカーに家づくりも依頼しなくてはいけませんが、不動産会社に土地探しをお願いした上で、条件にあった理想の土地さえ見つかれば、そこからジックリと住宅メーカーを選んでいくことも可能です。

デメリット

不動産会社は土地を売ることが目的

不動産会社は土地を売ることが本業でありゴールです。
極端に言えば、土地さえ売れたらOKということになるので、家を建てることが目的のハウスメーカーと違って、そこに建てる家を想定して土地探しをしてくれるわけではありません。

地質や日当たりなど、家の建築や快適に暮らすために必要な情報を自分で判断する必要があるため、土地の購入後に地盤改良で予算が削られる、家を建てたものの日が当たらない、といった失敗も考えられます。

住宅ローンを2本組むことになる

ハウスメーカーに土地探しを依頼するメリットでもご説明したように、不動産会社で土地を購入した場合は、土地のローンと住宅本体のローンの2つを組むことになります。

住宅ローンの契約や返済計画などのやり取りを、不動産会社とハウスメーカーの2社で別々に進めていく必要があるため、単純に手間が多く掛かってしまう上、状況によってはスケジュール通りに進まない可能性も考えられます。

【良い土地を探すコツ 1】「用途地域」で土地の周辺環境がわかる

良い土地を探すコツは、「その土地だけでなく周辺環境もリサーチする」ことが大きなポイント。

その土地自体が希望の条件に合っていたとしても、「隣に居酒屋が出来てから臭いが不快」「近くに工場が出来て音がうるさい」といった、”住み始めてから周辺環境が変わる”ことも少なくはありません。

そこで知っておきたいのが、
その土地に建築できる建物の種類・用途の制限が分かる「用途地域」です。

土地の購入前に用途地域を調べることで、
「この土地周辺には、どんな建物が許可されているのか?」
「パチンコ屋や工場など、生活に支障がでそうな建物が建たないか?」
といった、”後々悪い土地に変わる可能性”の有無を知ることができます。

それでは、ずっと良い環境を保てる土地を探すためにも、用途地域の意味や種類、調べ方をご紹介していきます。

用途地域とは?

用途地域とは、建築できる建物の種類や用途を制限するルールのこと。
都市の中に大きな工場が乱立すれば環境被害や住環境の悪化が考えられ、小さなアパートの隣に巨大なビルが建つと、全く日の当たらない物件になってしまいます。そのような住みにくい街には、多くの人は集まらず暮らしたいとも思いません。

そこで、用途地域というルールによって、都市を「住居系」「商業系」「工業系」などの13種類に区分することで、人が住みやすく・商業がしやすく・工業が発達しやすい街が作られています。

前述した、”後々悪い土地に変わる可能性”を知る以外にも、自分が理想とする周辺環境を探すためにも役立つので、ぜひ土地探しに活用していただきたい知識です。

住居系

住居系に含まれる区域は8種類あり、基本的に工場を建てることはできません。
種類によって建物の高さや広さに関しても制限が設けられており、日当たりや風通しといった条件を確保することができます。

小中学校や小さな商店、ホテルなどを建てられる区域や、自動車関連の施設が建てられる区域もありますが、基本的には「住むための環境」が最優先されているため、周辺環境は静かで住心地の良い地域と言えるでしょう。

「閑静な住宅街で住みたい」「のびのび暮らせる地域を探している」という方には、この住居系の地域がオススメです。

商業系

商業系に含まれる区域は2種類で、近隣住民が日用品を購入するための地域と、映画館や百貨店などが集まる賑やかな地域に分けられています。

商業系の区域にも住居の建設は許可されているため、制限の範囲内でアパートやマンション、一戸建てを建てることもできます。いわゆる立地が良くて家賃や価格の高い物件が集まっているのがこの地域です。

「賑やかで便利な地域で住みたい」「夜間も人通りが多いほうが安心」という方には、この商業系の地域がオススメです。しかし、騒音や臭いの問題が発生する可能性も考えられるので、周辺に何の店があるのかはリサーチしておきましょう。

工業系

工業系に含まれる区域は3種類で、工場の規模や種類によって分類されています。

  • 小さな工場やサービス施設といった、環境に影響しにくいものがメインとなる地域
  • 学校や病院などは建てられないが、どんな工場でも建てられる地域
  • 工場以外の建物は建設できない、工場専用の地域

の3つがあり、工場をまとめて建設することで、工場間のやり取りをスムーズに効率化しています。

住居のための土地としては、なかなか候補に入りにくいと思いますが、「工場を建てる土地を探している」という方はもちろんのこと、「工場と住居を併設したい」と考えている方にとっても重要な区分になります。

用途地域 全13種 一覧表

用途地域の大枠である「住居系」「商業系」「工業系」の各特徴をご説明したことろで、次は全13種類のさらに細かな区分・制限を一覧表でご紹介します。

次にご紹介する「用途地域の調べ方」とあわせて、検討中の土地やその周辺がどの区分に属するのか、利便性や住みやすさに問題はないか、調べてみましょう。

住居系 第一種低層住居専用地域 低層住宅のための地域。小規模な店や事務所を兼ねた住宅、小中学校などが建てられる。
第二種低層住居専用地域 主に低層住宅のための地域。小中学校や150㎡までの店が建てられる。
第一種中高層住居専用地域 中高層住宅のための地域。病院、大学、500㎡までの店が建てられる。
第二種中高層住居専用地域 主に中高層住宅のための地域。病院、大学などのほか、1,500㎡までの店や事務所など、利便施設が建てられる。
第一種住居地域 住居の環境を守るための地域。3,000㎡までの店舗、事務所、ホテルなどが建てられる。
第二種住居地域 主に住居の環境を守るための地域。店舗、事務所、ホテル、カラオケボックスなどが建てられる。
田園住居地域 農業の利便の推進を図りつつ、低層住宅の環境を保護するための地域。農業関係の施設や低層住宅、ビニールハウス、生産施設、500㎡までの店舗が建てられる。
準住居地域 道路の沿道において、宅配業者や車庫など、自動車に関連する施設と住居のための地域。
商業系 近隣商業地域 近隣住民が日用品の買物などをするための地域。住宅や店舗のほかに小規模の工場も建てられる。
商業地域 銀行、映画館、飲食店、百貨店などが集まる地域。住宅や小規模の工場も建てられる。
工業系 準工業地域 主に軽工業の工場やサービス施設等が立地する地域。危険性・環境悪化が大きい工場以外は、ほとんど建てられる。
工業地域 どんな工場でも建てられる地域。住宅やお店は建てられるが、学校、病院、ホテルなどは建てられない。
工業専用地域 工場専用の地域。どんな工場でも建てられるが、住宅、店舗、学校、病院、ホテルなどは建てられない。

用途地域の調べ方

用途地域を調べるには、「役所に行く」「役所に電話する」「インターネットで調べる」と大きく3つの方法があります。それぞれメリット・デメリットはあるものの、その手軽さからインターネットを使って調べる方が多いでしょう。

役所に行って確認する

役所へ直接足を運んで確認する方法は、一番情報が新しく確実であること、担当者と一緒に確認するため、地図が苦手な方でも問題ないことが大きなメリットでしょう。自治体窓口で「用途地域を確認したい」と伝えるだけで担当者が色塗りされた地図を持ってきてくれます。

役所に電話で問い合わせる

役所に電話で確認する方法は、家にいながら確実な情報を知ることができるというメリットがあります。自治体に電話で「用途地域を知りたい住所」を伝えれば教えてくれるはずです。しかし、実際の地図を見て確認するわけではないため、周辺環境を知るには情報不足と言えるでしょう。

インターネットで確認する

インターネットを使って用途地域を知る方法は、家にいながら色塗りされた地図を見ることができるため、周辺環境を知るためにも活用できる方法です。

「〇〇市 用途地域」と検索するだけで、調べたい土地がある市町村(または都道府県)のホームページから色塗りされた地図を確認することができます。自治体の公式ホームページ以外にも、全国の用途地域をまとめたサイトなどがありますが、情報が古い可能性も考えられるので注意が必要です。

【良い土地を探すコツ 2】現地でチェックしておきたい注意点・ポイント

周辺環境をリサーチするにあたって、最も大切で確実な方法が「現地に足を運んでチェックする」ことです。
用途地域を調べることで、その地域のおおまかな性質・特徴は知ることができますが、実際は現地でしか気づけない失敗のタネが多く存在します。

周辺の音や日当たり、土地の地質や地域の雰囲気などは、書類や地図では分からないうえに、多くの方が購入後に後悔しているポイントでもあります。自分の目で確認すべきポイントを見逃さないよう、購入を決断する前には現地へ足を運んでください。

周りにお店が多くて便利そうだったけど、実際に住むと夜もうるさくて眠れない。
土地を購入したものの地盤が弱く、別途工事費用が必要になった。

という失敗をしないためにも、しっかり自分の目でチェックしておきましょう。

日当たり・風通し・環境音

まずは、土地に求める条件としても挙がりやすい「日当たり・風通し・環境音」を確認しましょう。
付近に大きな建物や雑木林があると、日当たりや風通しが悪くなってしまいます。また、周りに商店が多く一見便利に見えても、実際に住んでみるとうるさく感じてしまうこともあります。

また、多くの場合は天気が晴れているときに現地へ足を運ぶと思いますが、逆に雨天時でなければ確認できない「水はけ」も要注意です。水が溜まりやすい側溝の確認や、他の土地と比べて低い場所にある場合は水が流れ込みやすいことも頭の隅に置いておきましょう。

電柱やゴミ置き場

立地や広さが希望通りの土地でも、土地の真正面に電柱があったり、ゴミ置き場があると少し購入をためらうと思います。

電柱が真正面にあると、家のプランに大きな影響を及ぼしてしまい、玄関や駐車場にする予定の場所ならなおさらです。この場合、その電柱の管理会社に現地調査をしてもらい、移設できそうであれば「その土地の接面道路上」に移設することができます。また、移設費用に関しては、公道の場合は電柱の所有者と折半、私道であれば電柱所有者が全負担となります。

家の前にゴミ捨て場がある場合は、生ゴミの臭いやカラスによる被害が考えられます。誰でも家の前にゴミ捨て場を設置するのは嫌がるため、移設も難しいことがほとんどです。ゴミ捨て場があることが土地価格に反映されているか(値引きされているか)を確認し、その価格で納得できなければ違う土地を探すのが妥当と言えるでしょう。

地質

地質の違いは、専門家でもない限り現地でも判断することは難しいと思います。
低い地盤や斜面に土砂を盛り上げて高くしている「盛り土」なのか、逆に高い地盤・斜面を切り取って低くししている「切り土」なのかといったことを判断するには、不動産会社やハウスメーカーを介して専門家に同行してもらう必要があります。

また、本来は土地の購入後に地盤調査を行いますが、売主次第では、購入前に地盤調査を行っても良いという場合があります。「後は地盤さえ問題なければ購入したい」という段階であれば、思い切ってお願いしてみるのも一つの手でしょう。

学校や職場までのルート

土地を探すとき、既に学校や職場までの距離は調べていると思います。
しかし、地図やネット上で見た道が本当に今も通れるのか、坂道や信号で想像以上に時間がかかるのではないか、という部分もあらかじめ確認しておく必要があります。

特に、小学生のお子さんがいる場合、通学路の事前チェックは欠かせません。
距離的には問題なくても、信号や踏切、下校時間に人通りが少ない道などは、小学生にとっては危険な道。事故・事件のリスクも考えられます。

仮に、距離が遠い、信号が多い、人通りが少ない場合は、近所に一緒に通学できる歳の子供がいるかも確認しておきましょう。

まとめ:失敗しない!注文住宅の土地探しのコツと手順

ここまで、後悔・失敗しない土地の探し方をご紹介してきました。
いくら理想の家を建てることができても、周辺環境や安全性が悪いと毎日のストレスになってしまいます。また、家の場合はリフォームが可能でも、土地はなかなか取り返しが付かないということも、土地探しが重要と言われる理由の一つでしょう。

建物と土地の予算配分を行うことや依頼先によるメリットの違いを知ることはもちろんですが、特に実際に現地に足を運んでみることは、一番大切と言っても過言ではありません。快適な暮らしのため、そして子供たちに残す資産のためにも、土地選びは慎重に行いましょう。

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